経営の非常識は現場で起こる ②
販売、生産、管理など、
現場の現実の取り組みをのぞいてみると、
そこには、
あってはならない経営の非常識が起こっている、
ということがあります。
②売り逃しを減らしました!
ある小売業でのことです。
他店舗展開をしているのですが、
妙に在庫の多い店舗があったのです。
ただ、特に損益が悪いわけではありません。
で、その店に行き、店長の話しを聞きました。
“他の店に比べたら在庫が多いけど、どうして?”
すると、
“売り逃しを減らすために、在庫を増やしました!”
と、いうわけです。
このパターン、今までに、何度も出会いました。
マネージャーやデベロッパーからは日々、
“売り逃しをするな!!”
と叫ばれており、
店長はそれが頭にこびりついています。
で、“在庫をたくさん抱えよう”
という発想になってしまうのです。
マネージャーやデベロッパーにしても、
「売上」しか頭にない方が多く、なおのこと、
店長はその影響をうけてしまいます。
月初めの在庫も月末の在庫も、
ともに多ければ、プラスマイナスされて、
損益には現れてきません。
店長は、だからOK、と思っていたのです。
貸借対照表や、資金繰りのことなど、
まったく頭にないのです。
“注文すれば入ってくるのだから、在庫を抱えておけばよい”
と考える店長がでてくるのです。
つまり、在庫を抱えすぎることが、
経営にとって、なぜダメなのか、
を理解してもらわないと、いけないのです。
他店舗展開の場合、
全体の在庫だけを眺めていては、
このような現象を、見逃しがちです。
個々の店舗の在庫が多すぎないか、
多いのはなぜなのか、
を、現場に出向いて追求してほしいのです。
それが、
全社財務の大きなほころびになる前に、
被害を食い止めるコツなのです。
(古山喜章)
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