お気に入りの一本 ⑤
⑤007シリーズ
今回は、1本ではなく、シリーズです。
イギリスの諜報部員ジェームス・ボンドが活躍する、
ヒットシリーズです。
で、何がスゴイかというと、
1作目の登場から50年を経過して、
いまだに続いている、しかもヒットし続けている、
ということです。
ここには、学ぶべきものがあります。
長く続けることができた要因のひとつが、
ボンド役の俳優を交代させる、
という仕組みを取り入れたことです。
映画の多くは、スター至上主義です。
ある俳優でヒットシリーズが出ると、
なかなか俳優を変えることができません。
そのスターありき、になりがちです。
1作目の公開は、1962年です。
日本で言えば、同じ年に、
勝新太郎の「座頭市」シリーズが始まっています。
その頃から継続している、というだけで、驚きです。
このヒットシリーズを支えているのは、
イーオン・プロという、独立系のプロダクションです。
007シリーズ制作にのみ関わっている、
ブロッコリ一族による、同族企業です。
現在は、創業者の娘が2代目としてトップに君臨し、
プロデューサーとして活躍しています。
現在、ボンド役は6代目です。
最初の頃は、二代目に変わったものの、
興行がさえず、一代目がカムバックする、
ということもありました。
今でこそ、まるで歌舞伎や落語の襲名のごとく、
新ボンド俳優を発表しています。
が、最初は、ビジネスを継続させるための、
苦肉の策だったのだと思います。
毎回、シリーズのお約束事を守りながら、
時代の変化をうまく取りいれています。
だから、50年を経過して、007はなお、
受入れられます。
どうすれば客のニーズに応えれるのか、
模索・実践し続けています。
毎回、感心させられる、
お気に入りのシリーズなのです。
(古山喜章)
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