不正のにおいをかぎわける ①
かつて、こんな事がりました。
〝どうも店舗で不正が起こってそうなんです。〟
〝えっ、どんな不正ですか?〟
〝割引券を使った不正です。〟
その店舗はレジャー産業で、入場料金は定額です。
フリーペーパーなどに割引クーポンを掲載しています。
お客がそれを切り抜いて、レジで使う仕組みがあったのです。
具体的にどのような不正か、聞いてみました。
〝まずは、会計時に、レシートを客に渡さないんです。〟
〝なるほど。でも、レシートください、っていう人はいるでしょう〟
〝そうです。でも、何も言わずに去って行く人もいるんです〟
〝いるでしょうねぇ。〟
〝何も言わない人で、定価で会計された客のレジを、後で打つんです〟
〝なるほど〟
〝そうです。そのときに、割引券利用にして、差額を抜くんですよ〟
〝で、なんでわかったんですか?〟
〝ある人物がシフトに入っているときの、
割引券利用がやたらと多いんです。〟
〝なるほど、しかし、決定的な証拠にはならないすね。〟
〝そうなんです。なので、カメラを設置する予定です。〟
となり、証拠をつかむに至ったのです。
会計から抜いていた金額は、月額約7万円でした。
結構な金額です。
割引券やクーポンは、お金と同じです。
それを管理する仕組みが甘いと、このような不正が起こります。
この事例の場合、
その後、会計の場所をカメラで撮ることを公言する、
ということで、同様の不正はなくなりました。
と、もともとは、
経理担当者が割引券の利用状況を、
昨年と比較していて、なぜ増えているのだろう?
と疑問を感じることからスタートしました。
で、特定の時間、特定の従業員の時に利用が多い、
となり、不正のにおいをかぎつけたのです。
割引券やクーポンを利用している企業は多いです。
ウチは大丈夫、と言えますか?
(古山喜章)
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