相続・株式対策にまつわる社外流出 ②
分散した株式を買い戻す資金も、
社外流出である、と、前回申し上げました。
②株式は、後継者に集中させておく
そもそも、
株式が分散するから、
買取り資金が必要な事態に陥るのです。
「株式は後継者に集中させておく」
これが、分散する前にできる、対策なのです。
分散しないような、手を打つのです。
ところが・・・。
株式を持っている遠い親戚や、
経営に携わっていない兄弟姉妹から、
〝この株を買い取ってほしい!〟
と、突然言われ、数百万円、ン千万円を支払った。
そんな経営者に、ときどきお目にかかります。
経営者にすれば、まさに寝耳に水。
交渉はするものの、泣く泣く支払いをした、
というケースが、ままあります。
〝どうしてその人が株を持っていたんですか?〟
とお聞きすると、
〝いやあ、先代が「兄弟は公平に」という主義で、
株も、私だけ少し多めで、
あとは、兄弟公平に渡していたんですよ・・・。〟
などと言われます。
で、あまり経営に携わっていない、
どちらかといえば疎遠な兄弟姉妹から、突如、
連絡が入るのです。
なかには、その兄弟姉妹が亡くなり、
株式を相続した息子・娘から、連絡が入ることもあります。
また、突っ込んでお聞きすると、
その兄弟姉妹等親戚の配偶者や、
株に詳しい知人などの入れ知恵であった、
ということが、見えてきたりするのです。
市場で売買されていなくとも、
中小企業の非上場株は、財産評価されるのです。
しかも、その評価額は、業績によって上下するのです。
株式を安易に分散させることは、
もめごとの種をバラまいているのと同じです。
一度分散させると、買い戻さない限り、戻ってきません。
渡した相手が亡くなり、
さらに別の親戚の手に渡ると、ますますややこしくなります。
株式はすべて、経営の後継者に渡し、
分散しないようにしてほしいのです。
それだけでも、社外流出対策に、なるのです。
(古山喜章)
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