税務調査は怖いですか?⑦
以前の記事で、
「税務署内での昇進は、実力でなくゴマすりが重要で、
調査官の肩書きと調査能力は、
必ずしも、比例していない」と書きました。
しかし、当然ですが、
税務署にはちゃんと評価制度があります。
どんな評価制度なのでしょうか?
調査官の評価は、基本は「金額」と「率」で決まります。
①金額→調査で見つけて、修正させた利益額
②率 →10件やって何件見つけたか?という割合
①「調査に入って追加で払わせた税額じゃないの?」
と思いがちですが、そうではありません。
税率をかける前の、利益額の差、で判断します。
税務調査は、基本、黒字会社に入ります。
しかし、なかには赤字会社に入る場合があります。
赤字会社は、そもそも税金を払っていませんので、
何か見つけて修正させても、追加で払う税金が「0」
という場合もあるのです。
そのときに税額を評価の対象にしてしまうと、
調査前も調査後も、「0」で評価できません。
なので、税額で見るのではなく、利益額で見るのです。
②打率が高いほうがよい、ということですね。
ちなみに、1人の調査官がこなす件数は、年間30件です。
準備から、調査、完了まで、
1件あたりだいたい1週間程度です。
ところで、この①②よりも、
ポイントが高いのが、「重加算税」を見つけることです。
重加算税は、「仮装」「隠蔽」をして、
所得をごまかした場合に、下される処分です。
調査官はとにかく、これが欲しくてたまりません。
なので、何か指摘事項があった場合に、
その処分する金額を下げるかわりに、
重加算税をかけてくる、という調査官もいます。
また、本来は仮装・隠蔽に該当するような悪質な問題でなくても、
「これは重加算税ですね!」と相手にふっかけて、
相手が「分かりました!」と言ってくれるのを
期待している調査官もいるのです。
明らかな仮装・隠蔽でない限りは、
「なぜ、これが仮装・隠蔽に当たるのですか?!」
と、調査官に質問することが大切です。
(福岡雄吉郎)
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