貯蔵品は損金で落とす
わが社のB/S(貸借対照表)をご覧ください。
上から、現金、売掛金、商品・・・ときて、
「貯蔵品(ちょぞうひん)」なる科目はありませんか?
貯蔵品・・・普段耳にしない言葉ですが、
原材料や商品、製品などと同じく、
棚卸資産(在庫)の一つです。
で、中身は何でしょうか?
切手や印紙、包装材料、パンフレットなどが多いですね。
会社によってさまざまです。
これらは、資産として
B/Sに必ずのせる必要があるのでしょうか?
答えは「No」です。
しかし、現実はB/Sにのせている会社が、結構あります。
その会社の担当者に質問します。
「なぜ、貯蔵品としてB/Sにのっているのですか?」
と、たいていは、
「いやぁ、前からそうなっているので・・・」という答えです。
明確に答える会社は少ないです。
ときどき、
「こうやってB/Sにのせているので、
在庫管理ができるのですよ!
期末に、実際に数えて帳簿と実際の差を調べるのです」
という方がいます。
しかし、帳簿にのせていなくても、
別に受払台帳を作っておけば、数の把握はできます。
ところで、ときどき、こういう会社があります。
「今年は利益が出過ぎるなぁ。何かよい方法は・・・」
といって、期末付近になって、大量にこうしたものを買って、
損金で落とそうとするのです。
こうした、ミエミエの節税は、調査で指摘されます。
しかし、「貯蔵品」にあがっているようなものは、
だいたい、毎年同じように使っている消耗品です。
それなら、買った時に損金にしても、
何の問題もありません。
国税庁からもそのようにお達しが出ています。
貯蔵品をB/Sから落とせば、
B/Sがスッキリするし、その年の税金も抑えられます。
わが社の処理について、
一度、確かめられてはいかがでしょうか?
(福岡雄吉郎)
« 株式はバナナではない | トップページ | 我が社の取引銀行の担当者が! 長期金利が!! »
「節税対策&決算対策」カテゴリの記事
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか⑤(2023.10.06)
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか④(2023.10.05)
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか②(2023.10.03)
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか①(2023.10.02)
- 誤った税務脳にだまされるな①(2023.09.05)
コメント