クライアント(顧客契約先)を脅す税理士
「社長 調査の日程を当初より2か月後に引き伸ばし、
調査も終わり、このあたりで税務署の指摘する事案を認めて、
300万円の追加納税と金利の支払いを認めましょうよ・・
今月(4月)中に終了しましょうよ!
ここでこちらが ゴネて、修正申告に応じなかったら、
次は国税庁の調査官が押し寄せて、それこそ大変です。
どうでしょうか? 今日中に のみましょうよ!」
なんとこのセリフは私の存じ上げる地方都市の、
田舎の町の企業経営者に税理士が言った言葉です。
私が、相談にのっている会社が、M&Aで企業買収を行ったのですが、
種々の事情で会社の株式を関連会社に売却したのです。
売却損を計上して、オフバランスを実施したのです。
その売却価格が『安い』と言ってクレームをつけているのです。
当然、売却価格は類似業種の価格算定で、何もおかしいことはなく、
いたって私から見てもおかしくないのですが、
オフバランスを行っているので、税務署は面白くなく、
調査に入っても、何も出てこなくって無理矢理
「税金をとろう」「6月までに(税務署の人事異動の都合) すべて終わらせよう」
とする様子がミエミエです。
地方都市、税務に弱い経営者は、
なぜかくも税務調査に怯えているのでしょう。
それ以上に地方の税理士はクライアント側に立たず、
税務署の発言を繰り返すのか? 不思議です。
税務署ではなく、国税が来る。
めったに国税が来ることはありません・・
海外取引とか、非常に税の専門性がある、
全国にまたがる非常に悪質かつ規模が大きい仮装、隠ぺいを行っているのであれば、
国税も出てくる問題になるでしょう。
真剣に経営を行い、その真の目的の為に理由があり、
経理処理を行い、見解の相違があり、
こちらが正しいと信念を持って行うなら絶対に修正申告に応ずることなく、
更正決定に持っていくべきであります。
修正申告、更正決定はどう違うのですか?
経営者は、しっかりと知っていただきたいです。
修正申告―― 納税者側が誤りを認め、修正いたします
更正決定―― 税務当局が脱税の証拠を示し、証明して、追加追徴する
税務当局は、納税者が素直に修正申告してもらえば、
実務は終了し次の仕事に移れます。
更正決定に持っていかれると、当局の方が証拠を集めなければならず、
7月の人事異動までにすべての業務を終えることができないのです。
各税務署内では、一年で30%の人が異動するのです。
3年で全員が変わると考えてもいいのです。
「よく仕返しされる?」と言われますが、
まったく、デタラメな事ですし、力のない税理士で言う人がいます。
未だに納税者の立場に立たない税理士が存在することは悲しい事であります。
(井上和弘)
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