稼がない資産に投資しない
ある経営者が、相続で、まとまっまた資金を得ました。
そのほぼ全てを、会社に貸し付けることにしました。
“売り物を磨く、設備投資に使おうと考えています。”
その会社は、加工・販売業です。
“それはよかったですねぇ。”
“でも、ウチの顧問税理士は、こんなことを言うんです。”
“えっ、どう言うんですか?”
“こんなときこそ古い社屋を建て替えなさい、と。”
あきれました。
その会社は、決して収益性が高いわけではありません。
設備も、古い機械が多いのです。
加工メーカーとして、設備を強くし、商品力を高め、
収益性を高めなければならないのです。
そこへ、先代が遺していただいた財産を、
投資するのが、意思を繋ぐことにもなるのです。
なのに、社屋を建て替えて、何になるのでしょうか?
それで、収益性が高まるのでしょうか?
稼がない資産に投資をしては、ならないのです。
するなら、稼ぐようになってから、なのです。
物事には、順序があります。
経営者のお考えが、正しいのです。
なのに、
“新社屋を建てなさい!”
とは、間違った方向に、経営者を惑わせるだけです。
案の定、その経営者の奥様が、
“税理士先生がそう言うなら、そうしたらどうなの?”
と、言ったそうなのです。
もちろん、新社屋など、後回しになりました。
社屋がキレイになっても、
商品力は高まりません。
顧客も増えません。
ましてや、収益力など、高まりません。
社屋建て替えで、新たな総資産が増えるだけです。
それも、稼がない固定資産です。
当然、総資産経常利益率も、悪化するのです。
満たされるのは、自分たちの、見栄だけです。
で、またしても、税理士先生方に対して、
“何もわかっていらっしゃらないですねぇ・・・。”
という会話になるのです。
(古山喜章)
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