不正できる環境を放置しない
小売・外食・サービス業などで、
値引き・割引を装って、売上金の一部を抜いていた。
という不正事例を、何度か聞いたことがあります。
かつて、会社勤めで経理をしていた頃、
「値引き伝票のチェック」という業務がありました。
値引き伝票というのは、
いつ、誰に、いくら、値引きしたのかを、
各店舗で記載したものです。
それをもとに、
日々のレジジャーナルの値引き額と合うか、照合するのです。
数十店舗あれば、合わない店舗があります。
たいてい、値引き伝票の額のほうが、小さいです。
で、店舗に電話をします。
“○月○日の値引き伝票と、レジの値引きが○○○円、合いません!”
まあ、往々にして、いやがられます。
“あとにしてくれ!”
“そんなことで電話してくるな!”
“それくらい、そっちでなんとかしろ!”
なんだかんだとやりとりしながら、対応してもらいます。
要は、値引き表の送りモレや、書きモレです。
照合・チェックしているこちらも、
面倒くさい作業だなぁ・・・、
と、思いながら、していました。
しかし、今考えれば、
そのチェックが、不正防止の役割を果たしていた、
ということがわかります。
少なくとも、
値引きの事実関係をチェックしている、
ということは、店舗の誰もが把握していたからです。
チェックしている、という環境が、
少なからず、不正の歯止めになっていたのです。
それでも不正はあったかもしれません。
しかし、
チェックも管理もされていない、となると、
“値引きでレジ打ちして、お金を抜いてもわからないな”
という、悪意の芽を育ててしまいます。
不正をする従業員は、確かに悪いです。
でも、
不正ができる環境を放置している経営者は、
もっと悪いのです。
(古山喜章)
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