売上減少時期の売上至上主義ほど怖いものはない その1
「景気変動 ・社会情勢、・巨大ライバル出現 ・商品寿命 ・技術革新」
色々な要因で事業売り上げが低下していくことはあります。
社員がいかに団結していようが、経営者が立派で称賛されていれも時流には逆らえなく、
売上が減少してゆくことはあるのです。
世間の大概の会社では
・売上を上げないと利益は出ない!
・売上を上げないと買掛金等が払えない!
と信じ込んでいます。
そんなことはないのですが、営業を強化して、
セールスマンの尻をたたき、売上を上げようとします。
その結果
①押し込み販売セールスをやる
②単価を落す
③売掛回収条件が悪くなる
の3つが大きくなります。
売れない時に無理に売ろうとすれば、この3つが発生します。
このように売上至上主義をとれば
P/L損益計算上は営業利益、経常利益が出ても、
たちまち、実質的にお金が回らなくなるのです。
先日、250億の負債で倒産した 白元 もこれが真の要因です。
特に①の押し込み販売です。
これは、何も白元ではなく、量販店向けのメーカーが陥る落とし穴です。
販売先(主に問屋)に対して、返品OKでの押し込み販売行為です。
例えば、2億円の商品を販売します。
問屋は、約束通り2億円の代金を支払います。
後日、1億円分を返品します。
メーカーは1億円分とその間の金利を「特売費」という名目で支払うのです。
『販売促進』という名を冠して営業部は、
これを実施します。売上は、確かに上がります。
ところが、返品された商品が、
すぐに別の販売先に売れればいいのですが、
タイムラグと返品商品で、たちまち在庫が膨れ上がるのです。
この悪しき商習慣を良い事だとメーカー側も問屋も量販店も思っていません。
しかし、売上至上主義をとると、どうしても押し込み販売、
バックリベートの特別販促協力金の魅力に手を染めてしまうのです。
(参考資料 日本経済新聞電子版より)
(井上和弘)
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