売上減少期の売上至上主義ほど怖いものはない その②
前回はメーカー側の押し込み、リベート販売の怖さを申し上げましたが、
今回は、メーカーの押し込み販売を受ける量販店側の危険も申し上げてみます。
スーパーダイエーの倒産は多く語られていますが、
私の実体験から申し上げると、ダイエーも又、
このメーカーの押し込み販売を受け入れたことが倒産の理由であると思います。
ダイエーの場合は、いよいよ利益も出ず、経営が苦しくなると、
メーカーからの押し込みを自ら積極的に受け入れたのです。
決算間近の1月~3月に半期契約、年間契約と称し、
来期分の仕入総額を決定し、「特売リベート額」を先取りし、
ギリギリ期末にリベート金額を先取りしてしまうのです。
メーカーとしては、その事の実行で、
一年間の売上総額は確保されたことになり、
楽なもので、後は自社製品を日々押し込めばいいわけです。
このことによって、売り場は、お客のニーズはそっちのけで、
メーカーのご都合商品が並ぶだけになってしまいます。
当時、私の家族も友人の人々も
「ダイエーの店頭には買いたくても、買うものがない」と言っていました。
そうです!
時々の『ヒット商品』『売れ筋商品』は ダイエーに並ばなかったのです。
そして、売れないとどうなるのですか?
ダイエーの倉庫は不良在庫で溢れることになったのです。
売上至上主義はこのように,P/Lでは見れない。
しかし、B/Sでは見える、この不良在庫、在庫金額が月商の6か月~12か月になるのです。
白元も、ダイエーも、オフバランスしてこの不良在庫を切ってしまえばいいものを!
と私が申し上げても、(白元は上場を目指し、ダイエーは上場会社です。)
経常利益、純利益を出さなくてはならない必要、事情があったのです。
つくづく「上場なんてものは・・・」と考え込んでしまいました。
(井上和弘)
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
こちらをクリックしてください。
« 飲食店でのレジ、ハンディが変わってきている | トップページ | 知っておきたい、雑損失控除 »
「経営」カテゴリの記事
- デフレンマインドから脱却しなさい④(2025.02.14)
- デフレンマインドから脱却しなさい➂(2025.02.13)
- デフレンマインドから脱却しなさい②(2025.02.12)
- デフレンマインドから脱却しなさい①(2025.02.10)
- 5年、10年経てば変わる⑤(2025.01.24)
コメント