預り金を使うから、資金繰りが厳しくなる
ある税理士先生からお聞きしました。
“例年よりも、手持ちの現預金が多い、
と思って経費を使っていたら、増税分のおカネだった!”
と、嘆く経営者がポツポツいます!とのことです。
4月以降、5%の消費税が8%になっています。
お客様から預かる消費税の金額が、3%増えたわけです。
確かに、去年と比べて、売上高がイコールなら、
手元の現預金が増えた、ということには違いはないです。
しかしそれは、預かり消費税というだけです。
預かっているのです。
同じ現預金でも、使える現預金ではなく、
いつかは精算して出てゆく現預金なのです。
いつもより現預金が多い!と勘違いして使っていると、
後になって、資金繰りで苦しむことになるのです。
同じようなことは、他にもあります。
“社会保険の支払いがキツイ!”
“源泉所得税の支払いが大きすぎる!”
など、いわゆる、従業員の給与から、控除しているものです。
それらはみな、会計上「預り金」として、処理しています。
で、毎月の支払日に、納めるわけです。
支払いを終えると、その「預り金」はなくなります。
毎月、この繰り返しです。
本来なら、給与として全額本人に払い、本人が払うものを、
会社が支払いを代行するので、預かっているわけです。
それが、給与から控除している、社会保険や所得税などです。
なのに、
手元の現預金は、全部自分のもの、使えるもの、
と、勘違いしてしまうわけです。
預り金だとわかっていても、
自分のものをむしりとられているような錯覚に、陥るのです。
出てゆくことがわかっている「預り金」は、
いつ、どれくらいの金額が出てゆくのか、
おさえて残しておかなければいけません。
それが、資金繰りです。
“預金口座にあるから、つい使ってしまいました!”
では、単なるどんぶり勘定なのです。
(古山喜章)
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