「資金繰りのキホン」は、ほんとにキホン?
日経新聞を見ていると、
「資金繰りのキホン」というタイトルの本が、
宣伝されていましたので、早速読んでみました。
資金繰りのキホンは、「回収は早く、支払は遅く」です。
本書では、
(回収)
・前受金をもらう
・即日督促する
・支払の遅い得意先には、損害金や値上げを請求する
(支払)
・請求書の支払処理を遅らせる
・支払期日の延期を交渉する
・購入せずにリース契約にする
(現金化)
・いらない在庫や固定資産をオフバランスする
といった、回収や支払に関する知識を、
広く浅く紹介しています。
ちまたで見かける資金繰りの本と比較して、
特に目新しい視点はありませんでした。
ただ一つ、おかしなところがありました。
「信用保証協会の保証を付けた融資を受ける前提で考えてほしい」
「非上場会社の経営者の場合、保証人になることは避けられない」
「社長の資産を遊ばせておくのではなく、
担保として活用することも検討するべき場面がある」
「中小企業は、借入に際して個人保証を避けることはできない」
などなど、担保・保証はあたり前という考え方なのです。
これまでもお話ししてきたとおり、
中小企業でも、担保・保証は外れるようになっています。
税理士や公認会計士が書く資金繰りの本は、
たいていこうした内容になります。
彼らが言う銀行対策というのは、
「いかに有利に借りられるか?」を、
決算書や事業計画づくりを通じて、
支援するというものです。
しかし、究極の銀行対策というのは、
「いかに銀行から借りないようにするか」
を考えることです。
こうした意味で、税理士、公認会計士の言っていることは、
「資金繰りのキホン」ではないのです。
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