見積書は、エビデンス(証拠)です
“見積書はできる限り細かくしてもらい、
資産計上分を極力、減らしています。”
と、自信をもっておっしゃる経営者がおられました。
その業界は、設備産業です。
多くの機械設備を運用します。
なので、改修や、やり変えが、頻繁に起こります。
税務のことを考えずに見積を依頼すると、
「○○○○取り換え一式」
などと見積書に記載されます。
その書き方だと、結局、全部資産計上になってしまいます。
そこを、細かく見直していったそうです。
取り換え前に発生する取りはずし費用を別建てにして、損金扱いにする。
機械一式のなかでも、
消耗品扱いが可能なものは、別建てにして、消耗品にする。
修繕扱いが可能な箇所は、別建てにして、修繕費にする、
などといった具合です。
で、値引きはもちろん、機械本体部分でしてもらいます。
“あんまり細かくしたら、業者が嫌がりませんか?”
と、お聞きしました。
“ぜんぜん嫌がりませんよ。むしろ、
他社への提案で使わせてもらっていいですか?
と、喜ばれましたよ。”
とのことです。
しかし、この経営者も、以前はここまでしなかったのです。
見積書への工夫はありませんでした。
しかし、見積書の書き方ひとつで、
資産計上が増減し、損金計上が増減します。
となると、法人税が増減し、残るキャッシュが増減します。
そのことが、わかったのです。
つまり、見積書こそが、資産計上のエビデンス(証拠)なのです。
見積書をおろそかにして、
資産計上を都合の良いようにすることは、
後の税務トラブルの、もとなのです。
見積書の書き方ひとつで、残るキャッシュが変わるなら、
もう少し細かくチェックしておきたい、
と、思いませんか?
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