土地伝説は生きている ①
いまだに後継者から、次のような声を聞きます。
“土地はいつか上がると思っているんですよ!”
“銀行に土地を進められたら、すぐにその気になるんですよ!”
“日本は狭いから、
景気が上向けば、土地は必ず上がるって言うんですよ!”
まあだいたい、先代に対する声ですね。
そうです、その方々のなかでは、
土地伝説は、まだまだ生きているのです。
①土地は減価償却できない
土地は減価償却ができません。
なので、売らない限り、貸借対照表から消えません。
買った時の簿価が、減ることもありません。
なので、B/S面積グラフを作成した際、
どっしりと、そこに居座り続けるのです。
特に、
銀行から借金をして土地を買ってしまった場合が大変です。
機械設備等なら、減価償却費が損金計上されます。
つまり、返済原資としては、
純利益+減価償却費 で考えます。
減価償却したぶん、簿価がだんだん小さくなり、
貸借対照表でのウエイトも、小さくなってゆきます。
ところが、
土地は減価償却できないのです。
とうことは、
銀行への返済原資となるのは、純利益のみ、なのです。
とはいえ、返済は必要ですから、減価償却がない分、
他に使うはずだった資金を、返済にあてるしかありません。
当然、そのぶん、資金繰りは厳しくなります。
財務体力は弱まりますし、
貸借対照表が膨らむ分、銀行の格付けにも、響きます。
資金繰りを困窮させてまで、土地を買う必要はありません。
本当に必要なら、借りればいいだけなのです。
“不要な土地を買うな!”
と、私たちは言い続けています。
それには、ワケがあるのです。
土地伝説を信じている方々には、どうか、
そのワケを、ご理解いただきたいのです。
(古山喜章)
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