M&Aの話が来た!⑥
M&Aで価格を決める際には、
必ず、デューデリジェンス(資産査定)をします。
よく、“デューデリ“と略して言います。
買う側が、買収価格を決めるために
売る側の決算書に誤りがないか、
売る側がコンプライアンスに違反していないか、
などをチェックする作業です。
とはいえ、買う側が自前でチェックするのは大変です。
なので、決算書のチェックは、公認会計士に、
コンプライアンスのチェックは、弁護士に、
依頼するケースがほとんどです。
会社を売る側に立つと、
デューデリなど、これまでまったく縁のない話です。
「プロはいったい、何を調べるのだろうか?!」
「いろいろとアラが出てきたらどうしよう?!」
しかも、事前に、大量の資料提出が要求されるのです。
「どうしよう!当社には、そんな資料はないよ…」
「これがなければ、マイナスなのだろうか…」
などと、いろいろと考えてしまいます。
でも、心配いりません。
“とりあえず”要求している資料も多いのです。なので、
・ないものは、「ありません」と言えばよいです。
・「その書類は、なぜ必要なのですか?」と聞いてください。
資料は、データで求められることが多いですが、
その要求にすべて応じる必要はありません。
データが嫌なら、紙で出しましょう。
量が多いもの、時間がかかる資料については、
(1)必ず入手したい資料を絞ってもらう
(2)必ず入手したい資料は、「なぜ、それが必要なのか?」明確にしてもうら
(3)代わりになるような資料があれば、それでもOKか聞く
(4)“できれば出してください”、という場合は、
『当日までにできるだけ用意します。
ご用意できなかったものについて、
どうしても必要ということであれば、後で送ります。』と伝えます。
売る側も、仕事をしつつ、デューデリを受けるのです。
何から何まで、相手の要求に応じる必要はないのです。
種類、量、時期など、絞れるものは絞ってもらいます。
また、きれいすぎる資料は、アラが見えやすくなります。
“狐につままれたように”するのも対策の一つです。
このあたりは、税務調査にも通じるところです。
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