M&Aの話が来た!⑤
M&Aでは、少しでも自社に有利な価格にするために、
売り手、買い手は、知恵比べします。
売買価格を決めるときの要素として、
①純資産 (時価の取り方)
②当期純利益 (将来をどう予測するか)
をいくらにするか?
が、大切になってきます。
①時価をどうとるか?
たとえば、「土地の時価をどうとるか?」です。
土地には、
公示価格、基準地価、路線価、固定資産税評価
と4種類あります。当然、価格も違っています。
さらに、少しおカネを払ってでも、
自社に有利な価格にもってゆくには、
不動産鑑定士に評価してもらう手もあります。
②将来の純利益をどう予測するか?
これまでの過去の実績をもとにして、将来の予測をします。
そのとき、ベースとなる実績を、過去何年分とるとか、
買収後は、規模のメリットが生きるからと、
粗利率が○%改善するとか、
色々な観点から、将来の予測をします。
この粗利率の変化の見通しは、とても大切なポイントとなります。
また、過去の実績をもとにして、
将来のコストも予測します。
会社を売る側にたてば、
少しでもコスト削減につながる要因をできるだけ列挙して、
(倉庫が不要になる、燃料代がかからない等)
将来の利益が大きくなる方向にもってゆくべきです。
そうすれば、企業価値が高くなり、売却価格は高くなります。
反対に、会社を買おうとする場合は、
少しでも安くなるように、
①時価が小さくなるように
②将来の純利益が少なくなるように、
理論武装してゆくことが大切です。
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M&A仲介会社の場合、売り手、買い手双方に付く訳ですが、売り手とのビジネスは1回限り、買い手は次もあるのでどうしても買い手有利な交渉になると言われていますが如何でしょうか。やはり売る場合はアドバイザリー契約をするところに交渉をさせたほうが良いように思われますが。
投稿: Y | 2015年2月 4日 (水) 09時03分
コメント、ありがとうございます。
仲介会社は、
「お互い、Win-Winになるように」とは言うものの、
やはり、買い手に寄りがちだと思います。
ですので、おっしゃるとおり、
売り手の立場にたつなら、
価格交渉をしてくれる代理人を立てるべきです。
ところが、中小企業の場合は、
「そもそも、誰に相談したらよいのか?」
まったく、見当がつかない場合があります。
”アドバイザリー契約” という言葉自体が、
ピンとこないのです。
相談相手として身近なのは税理士になります。
しかし、税理士が知ったかぶりをして、
ろくに交渉もしないと、結局は買い叩かれてしまいます。
売る側に立つと、まず大切なことは、
①代理人を立てること
②売る側の立場からは言いにくいこと、
たとえば、
『当社はそんなに安くない!!』ということを、
理論的に言ってもらえるヒトを見つけること
だと思います。
投稿: 福岡雄吉郎 | 2015年2月 4日 (水) 18時27分