「永久債」ってなんだ?
三菱UFJ銀行が、新型債券を発行して、
資本を増強する、と発表しまた。
銀行の国際業務に必要な、
自己資本比率8%を維持するための、新たな施策です。
要は、
自己資本同様と評価される「劣後債」を発行するわけです。
そうです。我々がよく言う「少人数私募債」と同じ扱いです。
その内容が、これまでにない、新型というわけです。
どう新型なのか?
第一に、償還期限がありません。
「永久債」と、言っています。
第二に、元本割れを起こすリスクがあります。
本来の自己資本比率が、一定の数値以上を割った場合に起こります。
そもそも、劣後債は、弁済順位が低い債券です。
つまり、債権者に弁済しなければならなくなったときの、
順位が、いちばん後回しになるのです。
お金を出す側にとって、リスクが高い債券です。
だから、金利は2.7%です。
通常の銀行金利より、高いです。
リスクが高い分、金利も高いのです。
“銀行金利は低いのに、少人数私募債の金利が高すぎませんか?”
と、いまだに聞かれます。
それも、よくよく聞くと、
“顧問税理士に言われました。”というパターンが多いです。
少人数私募債は、いわば、劣後債なのです。
弁済順位は当然、他への支払や返済より、後回しになります。
だから、リスクが高く、金利も高いのです。
「低金利時代」という言葉だけにとらわれ、
“その金利は高すぎるのではないですか?”
というのは、
少人数私募債と単なる借入の違いを、
理解していないだけの、ことなのです。
それにしても、償還期限無しの「永久債」なんて、
銀行のほうが、まだまだ上手ですね。
中小企業で発行したら、税理士がどう言うのか、
聞いてみたいです。
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