税理士の誘惑にのらない ②
②最近は、これが一般的ですよ…
ある企業で、決算前の試算表を見ました。
なんだかいつもより総資産が増えています。
よく見ると、見慣れない勘定科目がありました。
固定資産に「リース資産」があり、
固定負債に「リース負債」があります。
“どうして急に、この科目を計上したんですか?”
“私もどうかなぁ…、と思ったんですが…、
税理士さんが、最近はこれが一般的ですよ、
と言うので…。”
とのことでした。
顧問税理士からの誘惑のささやき、があったのです。
で、その税理士にも確認してもらうと、
“知り合いの税理士数人からも言われて…”
とのことでした。
一般的とは、
その数人の税理士の発言をもとにしたもの、
だったのです。
子供のころ、
“みんな持ってる!”“みんな言うてる!”
と言っては親に何かをねだったのと、同じです。
上場企業の会計基準では、
リース資産は総資産に含めます。
しかし、非上場企業では、含める必要はないのです。
だったら、含めないほうが、総資産はその分小さくなります。
自己資本比率も、ROA(総資産経常利益率)も、
その分、良くなります。
ということは、銀行評価も良くなります。
要は、総資産に含めないほうが、断然、いいのです。
なのに税理士先生は、
「総資産に含めた方が、
上場企業と同じ基準で対応している、
ということになるじゃないですか。」
となるのです。
“上場企業と同じだから、スゴイじゃないですか。”
くらいのレベルの判断なのです。
銀行はB/Sで企業を評価している、
ということを全く知らない証拠です。
銀行格付け(スコアリング評価)の要素に、
上場企業と同じ基準で会計処理をしている、
など、どこにもないのです。
もし、自社の決算書に
「リース資産」「リース負債」があるなら、
すぐに外してほしいのです。
(古山喜章)
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