銀行融資のウラ条件 ②
銀行が企業に対して、
定期預金を促しながら、融資を行う。
これは、いわゆる「歩積み両建て」と言われています。
金融庁から銀行に対する監督指針には、
「歩積み両建て」預金をさせてはならない、となっています。
このことは、
多くの銀行担当者、経営者が、
知るところとなってきました。
しかし、
そのウラを行こうとする銀行担当者は、
今もいるのです。
②個人預金をしていただけませんか?
ある企業で、銀行担当者から経営者に提案がありました。
“融資に合わせて、個人預金をしていただければ、
さらに金利をさげさせていただきます。”
つまり、経営者の個人預金を、
他行から、ウチの銀行に移していただけませんか?
ということです。
“えっ、それって、歩積み両建てじゃないんですか?”
その経営者は、言い返しました。
すると、
“法人の場合は、歩積み両建てになるのですが、
個人の場合は、該当しないのですよ。
なのでこれは、ウラ条件としての、お願いです。”
との返答があったようです。
“個人だろうが法人だろうが、
こっちにとっては一緒でしょ!”
その経営者は、その申し出を断わりました。
多くの決算書を見ていると、たまに、
“どうしてこの会社にここまで銀行は融資するのだろう?”
という財務内容の場合があります。
で、尋ねてみると、
個人預金をたくさんしている、
個人資産をたくさん所有し、個人保証をしている、
などということがよくあるのです。
要は、銀行側は、とりっぱぐれのないよう、
何かをウラ条件的に、抑えているのです。
経営者も、融資がほしければ、条件に乗ります。
そうなるとやがて、貸してもらっている、
という意識になり、強気の交渉など、できなくなります。
ウラ条件を投げかけられても、
“それはないでしょ!”
と言える、財務体質であってほしいのです。
(古山喜章)
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