収益性 (儲けている) の判断は
経営者は、各々いかにして利益(儲けて)を出そうか、残そうかと腐心しています。
何をもって “儲かっている” “利益が出ている”と考えるのでしょうか?
経理から(税理士)から届く月次の損益計算書からみて、
営業利益、経常利益が黒字になっているだけで、よし! よし! と考えるのでしょうか?
月次決算と申せ 1か月も2か月も遅れての数値では、何の意味もなく、
預金通帳の残高をみて増加しているので、マーいいか! と考えるのか!
まさか! 売上高を見て、この売上高、昨年比の売上高の伸び率だけを見て、
判断をしているわけではないでしょうが・・・
しかし、多くの経営者は、売り上げが前年、前月より伸びていれば
気分的にも安らぎ、事業活動に身が入っていくものです。
そんな一年の中で夏冬賞与期や納税支払期日が近づいてくると、経理の人間が
「社長 資金をどうしましょうか?」と相談してきます
「今期は かなり 利益も上がっているので 少し弾むか?」
と答えたとしても、経理担当者の顔は暗い。
「あの~~ 資金が 足りずに銀行に借入をお願いしないといけないのですが?」
「なに? 利益が出ているであろうが・・・・ それを使えばいいじゃないか?」
いかに経理担当者が、累々説明をしても社長はわかったのか、
わからないのか、使えるお金がないので 究極は銀行にお願いに行く羽目になります。
「井上先生 わが社は売上経常率が1%しかありません。
皆さん5%以上出しておられて恥ずかしいばかりです。」と
私のセミナー参加者の若い経営者が情けなさそうな顔をされます。
「そうですね~~」と私が答えると
「え~ 低くないですか? 」と不思議そうにおっしゃる。
「御社は 卸業問屋業でしょう・・・
売買差益が5%もあればいい業界でしょう・・・
そんな業界で なぜ 5%も経常利益率を稼げるのですか!
粗利益率が50%もある業界と一緒にしたのでは
それはおかしいじゃありませんか!」
収益性が高い低いは、常に経営者である限り気に留め、
いかに収益性を高めるかに努力しているわけですからね
製造小売りをしている洋菓子屋さんと、
大手鉄鋼会社から鉄製品を仕入れて、左から右へ販売する商社とは
売上経常利益と率を比較してみても仕方がないのはわかりきったことです。
上記のように 鉄問屋の山川鉄商(仮称)の売上経常利益率は、
100億円の売上があって、経常利益が1億円であれば 1%になる
一方、海潮製菓は、50億円の売上で
1億円の経常利益ならば 売上経常利益率は 2%となります
しかし、両社がどれだけの総資産をもっているかである。
だいたいにおいて 年商50億円の製菓会社では
工場や店舗の固定資産が必要になるため、本来は問屋のそれよりも大きくなります。
もし、表のように山川鉄商の総資産が25億、海潮製菓が50億とすると
ROAは 山川鉄鋼が 4%となり、海潮製菓より収益性は良い事となります。
売上経常利益率1%の山川鉄鋼の利益率は、悪いですが、
海潮製菓の半分の資産で1億円の利益を上げているので、
ROAは海潮製菓の2倍 よいのです。
売上経常利益率のみ考えては ダメなのです。
(井上和弘)
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