苦い思い出(不正経理) つづき②
上場会社であれば収益性が 株価に影響し、取締役陣の評価、
任期、株主にとっては配当金、
社員にとっては賞与金融機関に信用等々へと大いなる影響があります。
資本主義制度の上にたった株式会社経営は、
ともすればマイナス面を隠し、
常に業績面を良いように飾り立てる行動をとってしまいます。
逆に同族経営、オーナー企業経営では利益を追求することは同じであっても
できる限り儲けていることを隠し、目立なくしよう、
又、法人税による社外流出を少なくしようと行動します。
よって、東芝とは逆に
1、 費用の先取りと売り上げの先送り
2、 在庫の評価を厳しく 在庫金額を少なくする
3、 子会社に安く仕入れさせ、高く仕入れる
4、 進捗状況は遅らせ、売上計上はなるべく後に
のような方法で収益を実際より小さくしようとし、含み益を持とうとします。
大会社の役員でも利益を1億円先取りすると、
税金は半分近くの5千万円が出ていくことになることは理解しています。
まして、不良と名のつくものまで粉飾して利益を計上すれば、
出て行くお金は50%の納税金が発生し、
キャッシュフローが悪化することは、社員のほとんどは、理解できないのです。
危機に瀕した大会社がぎりぎりになって
何千人の早期退職や解雇を労働組合に申し込んだり、工場閉鎖を実施する。
その前、5年前から正しいP/L,B/Sの数字を把握して、
早め早めに苦い、苦しい手を打つべきであるのに、
よく見える嘘の粉飾決算ばかり見ているから、打つ手が甘くなり、こうなるのです。
「脱飾」という言葉があります。
禅宗で言われる言葉です。
飾りをすべて脱ぎ捨てる。白と黒の衣類、髪を結ぶことを禁じ、丸坊主頭にする。
着飾らない、すべてを削ぎ落す、食事も精のつくものは盛らず、
太ってはならず、睡眠もぎりぎり4時間、という厳しい中での生活をしているのです。
今、赤字が出ても、次の年には回復したとき、
それらを修正するつもりであるが、
決してそんな簡単に赤字体質は厳しい手を打たずしては、
今の時代は そう簡単には回復しないのです。
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