なぜ、オフバランスでお金がたまるのか?
オフバランスに抵抗がある経営者からの質問です。
「オフバランスをして、損をたくさん出すと、
しばらく税金を払わなくて済むと聞いたけど、
本当なの?」と聞かれました。
「繰越欠損(くりこしけっそんきん)というものが、
あるのですよ。“くりけつ”と呼ばれています。
“くりけつ”があると、確かに税金は払わなくていいんです。」
「そんな魔法のようなことがあるの?!
いまひとつ、信用できない。
仕組みを教えてくれ!」
繰越欠損とは、年度をまたいで持ち越す損失のことです。
決算で赤字(欠損金)が出た場合、
翌年度以降に持ち越して黒字(課税所得)と相殺できます。
図で示すと、次のようなイメージです。
(図をクリックしていただくと、拡大します)
経常利益2億円の会社で、
10億円の特別損失を出すと、8億円のマイナスです。
これが、繰越欠損金(くりけつ)になるのです。
この次の年に2億円の経常利益が出ると、
先の8億円のマイナスと相殺して、
黒字(課税所得)をなくすことができます。
つまり、税金は発生しません。
ここで勘違いされやすいのは、
損益計算書上(PL)の経常利益は、あくまで2億円です。
“マイナスと相殺して黒字をなくす“というのは、
あくまで税金を計算するときの話です。
ですので、決算書で、
8億円のマイナスが出てくることはありません。
そして、このときに残ったマイナス6億円も、
翌々年以降の経常利益と相殺できるのです。
結局、経常利益が毎期2億円出る、という会社なら、
今年を含めて5年間、税金を払わずに済みます。
これが、
「オフバランスすればお金がたまる」
という仕組みなのです。
(福岡雄吉郎)
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