「合理的?」と思う税理士の主張
A社の帳簿をみると、
子会社X社に対して、貸付金がありました。
「これ、回収できるのでしょうか?」と質問します。
「いや、これは無理です。もう活動していませんし・・・」
との答えです。
「それなら、早く落としましょう。」
「いや~、税理士から反対されているのです。」
税理士からは、以下のような文章がきていました。
「法人が金銭の貸し付けを行う場合、
取締役会の議決が必要となります。
しかしながら、当社においては、上記書類がありません。
従いまして、貸付を行った経緯、貸付を行った時のX社の財務状況、
貸付を実行した役員等が不明であり、
合理的な経済活動を営む法人が一般的に行う貸付とは、
性格を異にするものであると考えます。
また、貸付の状況によっては、
代表取締役が個人の判断で貸付を行ったと
判断される可能性が否定できません。
合理的な経済活動を営む法人が金銭の貸付を行う場合、
物的担保又は人的担保を設定することが一般的です。
しかしながら、当該貸付において物的担保、
人的担保の設定が確認できません。」
たくさんの借入を行う場合は、取締役会の決議が必要ですが、
貸付、しかも金額が大きくなければ、
なおのこと取締役会の決議は不要です。
”貸付を行った経緯等が不明”とありますが、
操業間もない子会社の運転資金が不足して、
親会社が貸し付けています。
これは、よくある話で、何ら異常な話ではありません。
また、担保が必要といっていますが、
いまは、無担保無保証の時代です。
一昔前の考えでいるのです。
子会社X社は、そもそも活動していません。
それなら、いっそ、会社を清算するのも一つです。
この税理士の主張を聞いていたら、
結局、いつまでたっても損金で落とすことができません。
「回収できないとはっきりわかっているものを、損金で落とすことができない」
こちらのほうが、よほど合理性がありません。
何より、損金で落とせるように書類の整備や指導をしてこなかった、
という税理士の行動が、合理的でないのです。
(福岡雄吉郎)
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