それでもなくならない、決算期をまたがる融資依頼
金融庁による、銀行の監督指針には、
銀行業務の適切性、という評価項目があります。
そこには、
資金需要に基づかない、
決算期をまたがる融資をしていないか、
という内容が含まれています。
いわゆる、歩積両建預金、というものです。
しかし現実には、
決算期をまたがる融資依頼など、あちこちで発生しています。
ある、地方企業のことです。
この時期、9月末の半期決算を控え、
支店長が一時的な融資のお願いにきたそうです。
経営者が、
“それは歩積両建でしょう?”と言うと、
“その通りです!それを承知でお願いしております!”
と言ったそうです。
もはや確信犯なのです。
よくよく聞くと、当然ですが、
支店長には、決算期の融資ノルマがあったのです。
プレッシャーは、東芝だけではないのです。
策なきプレッシャーをクリアすべく、現場は暴走します。
金融庁の評価項目など、気にしていられないのです。
それより気にするのは、身近な上司の評価なのです。
“借りる必要もないのに、何日借りればいいんですか?”
と、経営者が言うと、
“1日で構いません!”との返事だったそうです。
“9月30日だけ、当座貸越枠でそのようにさせてください!”
と、まさに土下座しそうな勢いだったそうです。
結局、自社に有利な別条件と引き換えに、
9月30日の1日だけ、借りることになりました。
しかし、
どの企業にもそのようなお願いがくるわけではありません。
その企業は、自己資本比率が高いのです。
支店長にとっては、最も評価の高い融資先、なのです。
だからお願いにきたのです。
“銀行のお願いなど聞くな!”と言うものの、
それも使いようです。
自社にとって不利がなく、むしろ有利な状況を作れるなら、
銀行からの協力依頼を利用すればよいのです。
そのためにも、
自己資本比率の高い、強い財務体質にしておいてほしいのです。
(古山喜章)
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