生命保険のナゾ ②全損保険がなくなったナゾ
先般、全損の生命保険があります、
と申し上げました。
“1/2損金になったはずなのに、なぜ?”
と、首をかしげてしまいます。
そもそも、保険ほど、
複雑でよくわからないものはないです。
②全損保険がなくなったナゾ
保険料は、予定死亡率等の変動によって変わってきます。
高齢者の増加、生活習慣病の増加、医学の進歩、
などにより、死亡率は変動し、新たな保険商品が生まれてきます。
そこで開発されたのが、逓増定期保険です。
法人向け商品として開発され、全額損金扱いでした。
どの商品もそうですが、最初からいきなり爆発的には売れません。
しかし、全額損金計上でき、速い段階での返戻率が高い、
という特徴から、どんどん広まりました。
それは結局、
損金計上による節税、解約返戻金という簿外資産、
が、魅力的だったのです。
死亡保険金を受け取ることが目的ではないのです。
そこが税務当局の目につきました。
2008年2月以降、
逓増定期保険の税務の取り扱いが変わりました。
それ以降、全損はなくなり、1/2損金扱いに、
ということになりました。
そもそも、
保険商品の認可を出すのは、金融庁です。
金融庁は、金融業務の商品として評価し、認可します。
だから、税務の側面でどのような問題が起こるかなど、
あとまわしですし、専門ではないのです。
管轄が違うのです。
とはいえ、税務調査で、節税目的としか思えない、
逓増保険への加入の現実が、見えてくるのも当然です。
で、国税庁から金融庁への申し出があり、
平成20年、税務の取り扱いが変わったのです。
なので、保険商品の認可が金融庁である以上、
どこまでいっても、国税庁は、後追いになるのです。
で、税務の取り扱いが変われば、またさらに、
抜け穴を見つけ、新たな商品が生まれてくるのです。
しかし、
そこへ進む保険会社もあれば、進まない会社もあります。
そのナゾは、次回に書かせていただきます。
(古山喜章)
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