現預金にも、回転の良し悪しがあります ②

②借入はないけど現預金がたまりすぎている

借入してまで、余分な現預金を持たないでください！
と申し上げました。
しかしなかには、
“借入はないですが、現預金がこんなに多いです！”
という、会社もみかけます。
現預金が少ない会社にとれば、うらやましい悩みです。

簡単な話し、ならば、使えばいいのです。
なのに、使わずにためたままにしている、
というケースがあるのです。
で、理由を聞くと、やっぱり、
“何があるかわからないから…。”
という声が返ってくるのです。
さらに、その元をたどると、
“銀行から借りれず、苦労したことがあるんです。”
という声が返ってきます。
ここでも、銀行が出てきます。（本当に、やっかいな存在です。）
その体験から、簡単には抜け出せないのです。

結局、
必要以上に現預金がだぶつき、
現預金の回転が悪い状況に陥ります。
その分、総資産が増えますから、総資産の回転率も悪化します。

何があるかわからないから、
新たな設備投資をして減価償却を活用する、
給与を上げて、人材確保に動く、
商品磨きやブランド磨きに資金を投入する、
などといったことに、使えばよいのです。
次への一手に使える資金が、手元にあるのです。

借入もなく、現預金が多い会社に限って、
機械や設備が旧式であったり、
賃金が低かったり、
商品やブランドにはさほど手をつけていなかったり、
するのです。
いわば、ケチケチ経営に陥りがちです。
逆にいえば、だから現預金がたまったのです。
現預金は使ってこそ、力を発揮するものです。
ただ持っているだけでは、資産の回転を悪くするだけなのです。

（古山喜章）



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