自社株のバトンタッチ⑭
これまでの話をまとめると、
・会社を支配するには、議決権を握ることが必要です
・少なくも過半数(51%)の議決権は握ってください
・ただし、例外として黄金株があります
・黄金株は、1株持っているだけで、
取締役会、株主総会の議案を拒否できます
手持ちの株式のほとんどを無議決権にし、
後継者に支配権をゆずったあとに考えることは、
無議決権にした株式を、
誰に移してゆくか?です。
その一つの解決策が、持株会です。
持株会とは、従業員が会社の株式を持つことを
目的にしてつくった組合組織です。
株式を持ってもらうかわりに、配当を行います。
つまり、従業員の福利厚生を目的とします。
従業員に、いくらか出資してもらって、
持株会という組合を結成するのです。
その持株会に、会社の株式を譲渡(売却)するわけです。
持株会は、創業者(オーナー)と血縁関係はありません。
だから、持株会には安い価格(配当還元価格)で、
株式を移すことができるわけです。
持株会では、入会できる条件を、
“勤続●年以上の社員に限る“と、自由に制限できます。
グループ会社の社員に、加入資格を与えることもできます。
幹部だけの幹部持株会だけでもOKです。
そして、会社を退職するときは、
持株会に株式(出資持分)が戻ります。
最初に出資してもらった金額で、
持株会が買い戻せばよいわけです。
しかし、持株会をつくっても、
持株会にお金が集まらない、という場合があります。
その場合は、持株会に贈与する、
という方法でもよいでしょう。
持株会は、手続が面倒なところもありますが、
状況に応じて柔軟に運営でき、
比較的使い勝手がよいのです。
(福岡雄吉郎)
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