資金繰りは会社全体で考える
ある会社の決算書を見る機会がありました。
みると、年商10億円に対して、借入金 2億円
そのいっぽうで現預金は、5億円あります。
「現預金がこれほどたくさんあれば、
この借入金は返してしまって問題ありません。
なぜ、借入金が2億円もあるのですか?」
「当社には、A事業部 と B事業部があります。
A事業部は、現金商売なので、借入金は必要ありません。
でも、B事業部は、売上代金の回収に時間がかかるので、
借入金が必要になるのですよ。
わが社では、事業部の業績をはっきりさせるため、
事業部別に決算書をつくっているのです。」
「???
それはわかりますが、
資金繰りまで、事業部別に考える必要はないでしょう。
支払利息が、年間3百万円計上されていますが、
金利はいくらですか?」
「だいたい、1.5%くらいです」
「銀行から借りてください、とお願いされませんか?」
「はい、よく来ますよ。
先日は、メガバンクがやってきました。
でも、“当社では必要ありません”といって、お断りしました。」
「当座借越契約は、結んでいますか?」
「はい、ずっと前から、2億円の枠をつくっています」
「使ったことはありますか?」
「いえ、使ったことはありません」
「借りてください」と言われたら、チャンスです。
交渉して安い金利を引き出してください。
“何かあったときのために”当座借越があります。
平素の現預金は、月商の0.5カ月を目標に抑えてください。
事業部別の業績をハッキリさせることは重要ですが、
資金繰りは、全社全体で考えてください。
どうしても、細かく分けるなら、
社内借入、社内貸付制度をつくり、
社内管理上、利息を発生させてください。
年間3百万円、5年間で15百万円の利息、
とてももったいないですね。
(福岡雄吉郎)
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