「損益分岐点売上操業度」を、面積図で考えてみる
「損益分岐点売上操業度」という経営指標があります。
現状の収益体質が安全か、危険か、を判断する指標です。
計算式は、
損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100 です。
計算式をよく見てください。
損益分岐点売上高が、実際の売上高に対してどうなのか?
という指標です。
下の図で考えてみます。
②が、損益分岐点の売上高です。
実際の売上高も同じなら、損益分岐点操業度は、100%、です。
では、実際の売上高が③の場合、どうなるでしょう。
②の売上高 ÷ ③の売上高 が、
損益分岐点売上操業度となります。
具体的な数値では、
(30)÷(36)×100 =80%
となります。
③の売上高は、②の売上高よりも大きいです。
しかし、分岐点操業度は逆に、80%、と小さくなります。
つまり、損益分岐点売上操業度は、
小さいほど、安全性が高い、という経営指標なのです。
80%なら、売上高が20%下がっても、
損益分岐点の売上高で、収支トントンの状態ですよ、
という意味なのです。
ここのところが、皆さん、理解に苦しむところなのです。
売上高の比較数値と言えば、100%を超える方が良い、
という固定観念があります。
小さいほど良い、という感覚が、なじみにくいのです。
はっきり言って、
“誰がこんな計算式を考えたんだ!
責任者出てこ~い!”
と言いたくなるのです。
(が、しかたがありません。)
だから逆に、実際の売上高が①の場合、
(30)÷(24)×100= 125%
が、損益分岐点売上操業度、ということになります。
売上高を25%上げてようやく、損益分岐点にたどりつく、
という意味です。
要は、損益分岐点売上操業度は、
少なくとも、100%を下回っていてほしい、
経営指標なのです。
で、80%を合格ライン、としてほしいのです。
(古山喜章)
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