製造原価報告書なんていらない③
③費用がバラけてわかりにくい
「製造原価報告書」があると、
労務費や、減価償却費、その他の費用にいたるまで、
ふたつにわかれます。
「販売費および一般管理費」にも、
ほぼ同様の勘定科目が出てきます。
経営指標などを見て分析する際、これがクセモノなのです。
費用がバラけてわかりにくいのです。
例えば、労働分配率を計算する際です。
労働分配率とは、
売上総利益に、どれだけの労務費が占めているか、
を、%で見る、重要な経営指標です。
労務費 ÷ 売上総利益 × 100 となります。
これが、「製造原価報告書」があると非常にわかりにくい、のです。
下の図をご覧ください。
左の図、つまり、「製造原価報告書」がある場合、
労務費が大きくふたつにわかれているので、
その合計を計算する手間がかかります。
そして、最も面倒くさいのは、売上総利益です。
左右の図を見てわかるとおり、
売上総利益①と、右の図の、売上総利益②は、
その大きさが異なります。
労働分配率を計算するには、売上総利益②で、
計算しないと、正しい数字になりません。
で、結局は、売上総利益②を、
改めて計算しなおさないといけなくなります。
これがやっかいなのです。
ある程度、決算書の仕組みを理解していないと、
計算間違いが起こりやすいのです。
労務費は、最大のコストであるのに、
その指標をとらえることが、しづらくなるのです。
これはおかしな話しです。
ならばやはり、
「製造原価報告書」なんて、無いほうがいいんじゃないか?
と、思ってしまうのです。
それでも、あったほうが助かります、というなら、
あるバージョンと、ないバージョンの、
両方の損益計算書を、会計事務所に作ってもらえばよいのです。
決算書作成に関わる顧問なのですから、
それくらいしてもらっても、よいのです。
(古山喜章)
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