固定費は固定でない④
損益分岐点の売上高は、
変動費と固定費のバランスで決まります。
なかでも固定費は、放っておいたら増えてきます。
固定費は固定ではないのです。
固定費には、たくさんの勘定科目があります。
そのそれぞれが、じわじわ増えるだけで、
固定費はすぐに膨らみます。
中小企業のわずかな利益など、すぐに圧迫されるのです。
売上高や変動費は、さほど増えも減りもしていないが、
固定費だけが、やや増えて、
営業利益が以前より減ってきた。
というパターンが、最も多いのです。
図で言うと、こんな感じです。
この状況で、変動費も増えたら、
営業利益は一気になくなってゆきます。
で、各経費項目を見ると、
何が極端に増えた、というわけでもありません。
が、それぞれ、じんわり増えている、
というパターンが多いのです。
なので、売上高に対するウエイトは低くても、
あらゆる経費について、下げる手立てがないか、
という目で見ておいてほしいのです。
水道光熱費なら、契約形態の見直し、新電力小売会社の活用。
支払手数料なら、振込など、銀行関連の手数料の減額交渉。
福利厚生費なら、健康診断費用の交渉や、制服のレンタル代金交渉。
雑費なら、廃棄物回収・処理費用の交渉。
社員の定期代なら、1ケ月から6ケ月への見直し。
物流費なら、共同配送活用など、運送手段の見直しや交渉。
修繕費なら、相見積もりでの費用最小限化。
会費や図書費なら、今もそれが要るのかどうかの見直し。
などなど。
ひとつひとつの勘定科目を見てゆけば、
その検討や交渉だけでも、結構な時間を必要とします。
つまり、手間がかかるのです。
この手間をかけるか、かけないかで、
固定費は、
下がったり、下がらなかったり、するのです。
固定費は、下げる努力をしなければ、
じわじわ増えるのです。
そうなると、損益分岐点となる売上高は上昇し、
売上高が現状維持なら、営業利益は減ってゆくのです。
(古山喜章)
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