私は見た!死語の世界 ④
中小企業の経営者とお話ししていると、
“それは今どき、死語でしょう!”
と、言いたくなることがあります。
死語の世界④
「そんなことをしたら、次は貸さないんじゃないですか?」
この1年以内の話しです。
現預金を必要以上に持ち、借入金がどっさりある、
という会社がありました。
“こんなに現預金がなくても資金繰りは問題ないでしょう。
借入金の一部を返してしまいなさい。”
と言い、加えて、
“単純な話し、過剰な現預金を使って、
借入金の一部でも返済すれば、それだけで、
総資産は縮んで、自己資本比率が上がるじゃないですか!”
と、説明しました。
その場には、社長と経理部長がいました。
社長は、“わかりました。返済しましょう。”と言いました。
すると、経理部長が、こう言ったのです。
“でも社長、そんなことをしたら、次は貸さないんじゃないですか?”
で、
“それ、いつの話しですか?そんなこと、今や死語ですよ!”
となったわけです。
その経理部長は、かつて、資金繰りで苦労をした経験がある、
いわゆる、銀行サマサマ病だったのです。
繰り上げ返済したような会社には、二度と貸さない、
などということは、融資先がいくらでもあるからできる、
銀行の強気の行為です。
銀行にすれば、
“あの時代は良かった…。”という、過去の話しなのです。
今や、銀行の融資先は、数少ないのです。
貸すときは、スコアリング(格付け)が全てです。
支店の人事異動があれば、過去のことなど関係ないのです。
そんなとき、
銀行サマサマ病の患者が社内にいると、
はっきり言って、財務改善の足を引っ張るだけです。
その会社では、経理部長を説得し、
返済を進め、現預金を減らすことに成功しました。
で、その後、銀行の態度は、何も変わっていません。
“また借りてください!”の連続だそうです。
今や、借りる側が、強気になっていい時代なのです。
(古山喜章)
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