固定費は固定でない③
損益分岐点の売上高は、
変動費と固定費のバランスで決まります。
なかでも固定費は、放っておいたら増えてきます。
固定費は固定ではないのです。
名前は固定費ですが、実態は、
時の流れによって動いてゆく、流動費なのです。
固定費には、たくさんの勘定科目があります。
そのそれぞれが、じわじわ増えるだけで、
固定費はすぐに膨らみます。
中小企業のわずかな利益など、すぐに圧迫されるのです。
例えば、賃借料です。
家賃は通常、相場で変動します。
相場が上がると、大家さんから連絡が入ります。
が、相場が下がった時には、
大家さんから連絡が入ることはありません。
当たり前です。
“賃料相場が下がってきているので、家賃を下げさせてもらいます。”
などとは、絶対に言ってこないのです。
つまり、相場が下がったなら、
借り手から大家さんに連絡しないといけないのです。
で、家賃減額の交渉をするべきなのです。
ところが、借りたら借りっぱなしで、
家賃も借りた時のまんま、となっていることが、多いのです。
一等地を除けば、土地の値段は下がっています。
建物も年数を経過すれば、古くなってきます。
減額交渉をするのが、当たり前なのです。
“下がらないなら、他へ移ろうかと考えています。”
と申し出て、減額した会社がありました。
大家さんも、なかなかなもので、
どうせ口先だけだろう、と、受け入れませんでした。
で、借り手の会社は、引っ越し業者に見積もりをとり、
ダンボールをもらい、荷物を詰めたダンボールを、
大家さんにも見えるところに、置き始めました。
慌てたのは、その大家さんです。
とたんに、
“ちょっと待ってください!”
“家賃減額の件、受け入れますので!”
と、なったのです。
年数を経過しているビルの場合、
ワンフロアー、ツーフロアーを借りている先が抜けると、
次の借り手を探して埋めるのは、至難の業です。
となると、借りている側のほうが、強いのです。
下がるはずの賃借料を、下げる交渉をせず、
固定費だからと、そのまんまになっている。
そんな賃借料がないかどうか、です。
少なくとも、一年に一回は、周辺の家賃相場と比べて、
高いのか、安いのか、調べさせておいてほしいのです。
(古山喜章)
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