自社株の評価引き下げ(事業承継)方法 続き
私が考えるだけでも10項目の引き下げ策があります。
とはいえ、個々の会社で事情が異なるので、
これらの処方箋は会社にあったものを選択し、
組み合わせて使わなくてはなりません。
10項目の中でも 使いやすいものは3つです。
⑤高額退職金 支払いによる純資産の圧縮
⑦持ち株会社の資本金を後継者に100%出資して そこへ株式売却
⑧種類株式 定款変更し自社株に色を付ける
無議決株等の3つがベストです
世間では ⑤の高額退職金の支給と言っても
3億円~20億円の高額は 経営者の頭の中では望みはすれど、
実際となると税理士をはじめとする協力者、理解者、実践者が
居ないことでしょう。
⑦の持ち株会社は多くの経営者は
税理士、銀行のお薦めで実行されていますが、
持ち株会社の買い取り資金と借入金の返済資金に難があります。
⑧の種類株式による方法は、
相続税が全くいらない方法でベストですが、
定款を変更するのに、株式全員の承認が必要で、難関になる場合があります。
新会社法を使った方法なので、
この方法はほとんどの人がまだ知っていません。
詳しくは、後で述べます。
私の評価が低い策については
①の事業承継税制は、
非常に未来についての種々の条件が付き 使いづらくなっています
②の相続時精算課税制度は、だれでも使えるわけではなく
時と条件が限られてきます
④の不動産の取得は 取引後3年経過後では、
相続時に土地は路線価評価、建物は固定資産税評価額になり、
評価額が減になゆえ、それを狙ってであるが、
その調達に借金を新たに持っての方法であれば、
資金繰りに困り、事業経営本体を悪化させた実例が多くあり、
お勧めできません(自己資金であれば別)
⑥の金庫株は 散らばっている株式を集めるという手法として使える。
また、オーナーが会社に売却して資金化する、
自分の持ち分を減らす方法等に使えますが、
持株比率が大きく変化し、
支配権が変わってしまう事に注意が必要となります。
⑩の組織再編は 収益部門を分社化したりして、
方法として使えますが、規模を縮小化する方には好まれません
とにもかくにも これら 数ある手法を組み合わせてみることにより、
超優良会社の自己株式が高額になっていても、
相続税を下げる方法が可能なのです。
そのために必要なのは、
時間と計画をしっかりとした設計図が必要なのです。
ビルを建てる時に全体図、イメージをしっかりと描き、
プロの設計士、建設業者を雇って建てることが必要なのと同じです。
(井上和弘)
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