名義株のトラブル
創業者が不慮の事故により急死した後、
ある日突然に見ず知らずの方が会社にやってきました。
「私は、おたくの会社の株主です。創業者が亡くなった以上、
おたくの株式を持っておく必要はなくなりました。
つきましては、この株式を買い取っていただけませんか?」
後継者はとまどいます。
「えっ?株主?うちの会社は、おやじがゼロからスタートした会社のはず。
誰もオヤジを応援してくれる人なんていなくて、
お金の工面に相当苦労したと聞いていたのに。
どういうことだろう・・・」
「あの・・・まことに恐れ入りますが、父からは創業当時の話として、
資金を出してくれる人が誰一人としていなくて困った、
という話をよく聞いておりました。
ですから、株主も父以外には誰一人としていない、
というのが私どもの共通認識でした。」
「そんなはずはないわよ。おたくの株主名簿、あるでしょう。
そこに私の名前、松田静江(仮名)がのっているでしょう。
よく確認くださいな。」
後継者が調べてみると、確かに“松田静江”なる名前が
株主として載っています。
さて、これはどういうことでしょう。
これがいわゆる“名義株”というものです。
名義株とは、
「他人の名義を借用して、株式の引き受け、払い込みが行われた株式」
を指します。
結果として、会社における株主名簿上の株主と
実質的な株式の所有者が一致しなくなるのです。
そして、この名義株をまつわるトラブルは、
昔から絶えることがありません。
(次回に続く)
(福岡雄吉郎)
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