やっと個人保証が外れました!②
②銀行へ突然おしかけて、その場で交渉しました
九州のある企業でのことです。
“これまでの個人保証は外してもらいなさい!”
との指導を受けて、経営者は銀行に交渉しました。
最初は案の定、
“持ち帰って検討させていただきます。”
の決まり文句です。
で、2週間、3週間が経過しても、なんの音沙汰もありません。
当然、どうなっているのか、経営者は電話をしました。
“お願いしている個人保証の件、どうなりました?”
“その件ですが、まだ本部での検討結果がこちらに
届いていませんので、もうしばらくお待ちいただけますか?”
との回答を得ただけでした。
しかしいったい、いつまで待てばいいのか、
煮え切らない経営者は、後日すぐに、担当者にまた電話しました。
が、それ以降は、何度電話しても担当者が不在で、
折り返しの電話もこない、という状況に陥りました。
早い話し、居留守です。
このままでは、個人保証が外れません。
ならば、と、アポなしで直接銀行に出向きました。
するとそこには、担当者がいたのです。
しかし担当だけでは進まないので、支店長も同席させました。
“お願いしていた個人保証の件はどうなっているんですか!
あれから1ケ月以上になりますよね。
連絡しても不在ばかりで、折り返しの電話もないし!
上司であるBさんは当然、聞いておられますよね。”
と、怒りを潜めた表情で、支店長に話しを振りました。
“もちろん伺っております。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
すぐに対応させていただきます。”
“いつまでに返事をいただけるんですか?”
“1週間以内に。”
“わかりました。”
となり、結局、1週間以内に、
これまでの個人保証はすべて外します、
との回答を得たのです。
ある銀行出身者に聞くと、
“2週間たって何も連絡がないということは、
進めたくない案件なので放置している、ということですよ。”
とのことです。
つまり、担当者にだけ交渉しても、なんの進展もない、
ということが多いのです。
担当レベルは基本、
自分の点数や成績に不利益をこうむるようなことは、
進めたくないのです。
だから当然、上司や支店長の耳に届いていない場合が多くなります。
今回の事例の場合も、
おそらく支店長は何も知らなかったのでしょう。
いわば、
経営者が怒りモードで銀行に突然押し掛け、
不意を突いて支店長に交渉した、
ということが、結果に結びついたのです。
どんな業界であれ、
やいやいとうるさい取引先や、
何かしかけてきそうなこわさがある取引先、
などの声は、優先して聞くものです。
それには、担当者にだけ交渉していても、ダメなのです。
(古山喜章)
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