銀行の態度が180度変わった日 ①
晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘をとりあげる。
銀行とのつきあいが長いほど、切実に感じることと思います。
銀行のその体質は、今も何ら変わっていないのです。
ある企業が新規事業を計画し、銀行に融資を依頼しました。
“電話をしたら、支店長と、なんと本店から常務まで来ましたよ。”
と語ったのは、
長年その銀行と取引をしてきた、経営者です。
で、事業計画を説明すると、
“ぜひとも、当行で全額融資させてください。”
と、すぐさま融資の快諾を得たそうです。
ちなみに、その当時、
その企業の自己資本比率は、30%台でした。
新規融資をもとに土地・建物を取得し、
新規事業を展開する、はずでした。
ところが、建物建設を依頼していた、
地域の建設会社が破たんし、工事が途中でストップしました。
加えて、その事業の見通しの甘さも露見し、
結局、新規事業は頓挫しました。
その場に及んで、それがベストな決断と、判断したのです。
残ったのは、
破たんした建設会社に支払った金額の損失と、
新たな借入金の返済、だけです。
“今すぐ当行までお越し願えますか?”
やがて銀行支店長から、経営者に連絡が入ったのです。
“いやもう、声のトーンからしてこれまでと別人ですよ!”
とは、経営者の言葉です。
“融資するまでは、低姿勢な「どうぞよろしくお願いします!」
という感じだったのが、そのときの声の雰囲気は、
「なにさらしとんねん!はよこんかい!」
ていう感じですよ!”
そもそも、それまでは、
その銀行の人がうちの事務所に来ることはあっても、
うちが銀行に出向くことは、一度もなかったんですよ。
それがいきなり、すぐ来い!、ですからね。”
建設会社への支払損失、新規事業の頓挫、
が銀行の耳に入り、銀行は回収に不安を感じたのでしょう。
“それにしても、あからさまな態度の変わりようでしたよ!”
と、経営者は思い出しただけで、怒り心頭なのです。
銀行は、返済能力に疑いがなければニコニコして貸すものの、
ひとたびそこに疑問が生じれば、態度は180度変わるのです。
で、その経営者は銀行へ出向きました。
そこには、雨の日に傘を取り上げる仕打ちが、
待っていたのです・・・。
(古山喜章)
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