会社はすぐには売れません⑤
この夏に、
M&A(会社の売買)に携わる機会がありました。
買い手は九州地方のA社、
売り手は中国地方のB社です。
M&Aは、最近、M&Aの仲介専門会社を通して
行われることが圧倒的に多いです。
M&Aは、会社と会社の結婚です。
仲介会社は、お見合いする2人の仲人のようなものです。
相手の人となりを知るには、とにかく時間がかかります。
また、短時間でそのすべてを知ることはできません。
会社の売り手、買い手ともに、
まずは、このことを理解しなければいけません。
分かってはいるものの、ついつい焦ってしまうのです。
しかし、焦るとよいことはありません。
最初に、今回は、契約が不成立に終わった、
と申し上げました。
その一因は、
仲介会社と売り手が売り急いでしまったことにあります。
買い手は、買収したあとに、
当初知らされていなかった問題が出てくるのを
とても嫌がります。
だから、
買収前の調査(デューデリジェンス)を細かくやりたいと思います。
「含み損、隠れ負債がないか?」という
財務的な視点はもちろん、
「株主名簿に間違いはないか?」
「取引上のトラブル、もめごとはないか?」
「契約書に不備はないか?」
などの法務的な視点でも、必ずチェックします。
売る側は、次から次に資料を要求されます。
これまで作ったことがない資料を作らされたり、
問題と思ってこなかったことが、
実は問題だったと判明することもあります。
従業員にも伏せて、ものごとを進めなければいけません。
とても大きなストレスがかかるのです。
しかし、会社を売るというのは重い決断なのです。
大変なストレスがかかることは、
予め心得えておかなければ、
会社を売却することはできません。
(福岡雄吉郎)
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