銀行の態度が180度変わった日 ③
晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘をとりあげる。
銀行とのつきあいが長いほど、切実に感じることと思います。
銀行のその体質は、今も何ら変わっていないのです。
“金利だけ払ってくれたらいい、と言ってったのに、
急に明日から元金返済しろ!ですよ!!!”
その場にいた経営者は、思い出しても腹が立つ様子でした。
しかし、金利だけでいい、といっても、
そもそもは口約束なのです。
“それは何か覚書とか、なかったんですか?”と尋ねると、
“まったく、何もないです。”
結局、これでは、状況が変われば、
銀行は都合のいいように、言ってくるのも当たり前です。
最初から、そのようなことがあるかもなので、
口約束にしていたのです。
要は、銀行のいいようにされていたのです。
加えて、
その銀行にも、そのような態度をとる理由があったのです。
“ところでその銀行、消滅銀行ランキング、とかでは、
何位くらいにいたんですか?”
と尋ねました。
“いやそれが最近になって、それを見たんですよ!
そしたら、このエリア数県のなかで、トップだったんです!
いやもう、びっくりしました!まさかトップとは・・・。”
と、経営者は驚きの声をあげました。
しかし、最下位だからこそ、その銀行は、
不良債権を出さないことに、極めて敏感なのです。
ビジネス雑誌が出す、あの手のランキングは、
開示データをもとに、ランク付けしています。
そこで消滅ランクが地域ナンバーワン、ということは、
まずもって、他行より、財務状況が悪いのです。
そんな状態の銀行は、どんどん貸したいけれど、
反面、不良債権は絶対に出したくない、のです。
だから、貸す際の審査はやや緩めがちです。
ところが、いったん回収に不安を感じたら、
どこよりも早く、傘を取り上げにくるのです。
不良債権を出すと、銀行の自己資本比率は悪化します。
金融庁の監査で指摘を受ける要因にもなります。
ランクの悪い銀行ほど、そんなことは絶対に避けたいのです。
なので、自社が取引をしている銀行が、
どのようなランクにいる銀行なのか?
巷のビジネス誌などでランキングが出ている際には、
確認しておき、悪いランクなら、
変えることを考えておくべき、なのです。
(古山喜章)
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