成熟環境 先進国経営は 売上追求より 付加価値の創造
米国や欧州また、東南アジア諸国の首都を巡ってみて、
つくづく日本も欧米に追いつき、豊かな生活になったなと実感します。
先進国5か国のインフレ率は2015年
日本 0.75
アメリカ 0.12
イギリス 0.05
ドイツ 0.14
オーストラリア 1.53
なのです。
日本政府はどうにかして2.0%には持ってゆきたいと思っていますが、ままなりません。
経済成長率もどんどん下がり、金利率も下がり、
今やどの国も内向き政策を取ろうとしています。
このような環境下で中小企業においては
経営方針の中で売上増大、成長重視、単価を上げる、数量を増やせと
はっぱをかけているトップが多くいらっしゃいます。
私も売上なくしては利益率確保の実現はできませんが、
売上は手段であって、目的は利益を上げることではないでしょうか?
伸ばすとするならば
キャッシュフロー高伸び > 経常利益伸び > 営業利益伸び >
営業利益伸び > 粗利益の伸び > 売上伸び
の順番ではないでしょうか?
売上至上主義に陥ると、必ず
・粗利益高・率の悪化
・販売経費の増大で営業利益低下
・売掛、在庫の増大で生ずる借入金の増加と不良債権、不良商品の増大
という現象が必ず表面化します。
営業が得手、営業職出身の経営者は、
営業強化、販売力強化戦略舵を取られる方が多いのですが、
私は、どうも疑問に思っています。
なぜなら、それを重視される成功経営者は晩年には
会社を潰される方が多いのです。
営業力や販売力を重視したくても出来ない業種があります。
「士業」がそうです。弁護士、税理士、医師、営業マンを雇って、
派手な営業活動はできません(広告制限のある業種もあります)
かくいう私も創業時には宣伝活動が出来ず、
顧客が果たして5社10社を来るだろうかと 悩んでいました。
自ら、各社をノックして「仕事ください!」と言って歩くものではない。
「こんにちは 如何ですか?」と尋ねれば、
よほどこの先生は「ヒマなんだ! 客がないんだ!」と思われるので、
足は動かなかったのです。
お客様は『向こうから来られる』ための
「仕掛け」 → 「仕組み」 → 「懸命にいい仕事を続ける」
ことしかなかったのです。
各社の問題を解決し、収益につなげ、
実例を多く積むことによって、「噂」が広まり、
私の話しを聞きに来られる方が増えていったのです。
客が増えれば顧客単価は上がっていったのです。
私の体験上、売上を上げることをせず、
成功実例を積み重ねる、生産性を上げる努力をしただけです。
数には追わず、付加価値を高めようと考えました。
他の業種の方々も成熟、低成長の時代、
なぜ 付加価値、限界利益率、粗利益率を上げる戦略をおとりにならないのでしょうか?
(井上和弘)
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