資金繰りがズレる
手元の現預金が必要以上に多い会社は、
資金繰り表を作成していないことが多いです。
資金繰り表で、今後の資金残高がどう変わるか、
増えるのか?減るのか?が、読めないので、
「資金ショートしたら・・・」と不安になり、
資金を厚めに厚めに持っておこう、と考えます。
で、結局、資金を必要以上に持ちすぎてしまうことになるのです。
顧問先I社では、ここ何年にもわたり、
資金繰り表を作っています。
ですが、資金繰り予測と、実際の入金、出金が見事にあいません。
経理部長は、いつもこのことで悩んでいました。
資金繰りは、入ってくるおカネ、出てゆくおカネ、
2種類があります。
入ってくる方も、出てゆく方も結構ずれるのです。
まず、対策を打ちやすいのは、出金のほうです。
過去の実績を見れば、
毎月、だいたいこの程度(金額)は仕入れる、
という予測がたちます。
当社の支払サイトは約1カ月ですので、
例えば、5月に1億仕入れれば、6月に1億支払う、
という流れにすればいいでしょう。
仕入代金以外については、
人件費を中心として、出てゆくお金は、
毎月大きく変わらないでしょう。
つまり、予測しやすいのです。
「ときどき、突発的に大きな支払いが発生することがあります。
大型の機械を買った、広告宣伝費を支払ったとか、
こういう場合が困るのです・・・」
経理部長は言いました。
「当社には、稟議書があるのでしょう。
〇〇万円以上のものを購入する場合は、
部長や役員に伺いをたてないのですか?」
「あぁ、もちろん、たてます。」
「そこに、支払条件を書いてもらえばいいじゃないですか?
〇月末までに支払が発生する、と書いてあれば、
それを資金繰り表に反映させるだけですよ」
「あぁ、確かに・・・」
資金繰りの予測は、確かに難しいです。
「当たらないから、結局つくる意味がない」
とは思わず、ちょっと考えてみてください。
(福岡雄吉郎)
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