資金繰りがズレる②
手元の現預金が必要以上に多い会社は、
資金繰り表を作成していないことが多いです。
資金繰り表で、今後の資金残高がどう変わるか、
増えるのか?減るのか?が、読めないので、
「資金ショートしたら・・・」と不安になり、
資金を厚めに厚めに持っておこう、と考えます。
で、結局、資金を必要以上に持ちすぎてしまうことになるのです。
顧問先I社の経理部長は、資金繰り表を作っています。
しかし、資金繰り予測と実際の入金が
大きくずれてしまっていました。
I社には、大口の得意先A社とB社があります。
この2社の得意先については、
それぞれの回収条件(サイト)に合わせて、
個別に予測を立てています。
それ以外の得意先が、数百あります。
これらの得意先は、回収条件がまちまちです。
また、毎月一定の金額の売上があるわけでもなく、
何年かぶりに売上が上がる場合も、多くあります。
回収条件は、翌月に回収するところもあれば、
3カ月後に回収するという得意先もあります。
本来は、システム上で入金予測を行えばよいのですが、
I社のシステムでは、それがうまくできません。
このため、I社では、
過去の入金実績から、
2カ月前の売上に80%をかけた金額を、
当月の入金額として予測をたてていました。
しかし、実際には、この80%という数字も平均であるため、
月ごとに予測が実績を大きく上回ったり、
あるいは、大きく下回ったり、
入金予測がなかなか上手にできていませんでした。
ここで、年間平均ではなく、
4月~3月までで、各月の入金額が、
2カ月前の売上の何%になるか、計算をしてみました。
「月ごとの分析を行っても、大した傾向は掴めないだろう」
と思っていましたが、
4月は90%、5月なら60%などと、
月によって、大きな傾向が出てきました。
「なぜ、月によって実績率が大きく違うのか?」
これを分析するのが、更なる精度向上には必要ですが、
I社の資金繰りは、一歩前進できたのです。
(福岡雄吉郎)
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