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2016年11月15日 (火)

仁義なき銀行交渉 個人保証死闘篇➂

金融庁は銀行に対し、
“保証に頼る融資から脱却せよ!”
と、大きく声を上げています。
が、銀行と中小企業の交渉の現場では、
いまだそんなことはおかまいなしの、
仁義なき銀行交渉が、繰り広げられているのです。

➂財務局は中小企業の生の声を欲しがっています

新規融資に対し、
“個人保証と担保がないと貸せないですよ。”
“それがなしで融資できるのは、上場企業だけですよ。”
と、銀行はかたくなに態度を変えませんでした。
そこで、“一度、財務局に聞いてみようと思います。”
と銀行に言うと、通常は、
“いやいや、ちょっと待ってください!”
となります。ところが、
支店長の強気の表れか、無知なのか、“どうぞ”と言われました。
となれば、実行するまでです。
しかもなんと、財務局の電話番号まで、教えてくれたそうです。
交渉の言葉として財務局を持ち出すことはあっても、
実際に連絡するケースは、少ないです。

交渉担当の経営者は、地域管轄の財務局へ電話をしました。
“銀行借入のときの個人保証のことでお電話しました。”
というと、すぐに担当者に代わったそうです。
経営者いわく、“腰の低い丁寧な対応でした。”だそうです。
そこで実情をお伝えするわけですが、
まず聞かれるのが、
会社名、所在地・連絡先、代表者名、交渉担当者名と役職、
続いて相手方の銀行の名前、支店名、支店長名、担当者名、
その銀行からのこれまでの融資の有無、などです。
で、個人保証と担保を要求されている状況をお伝えします。
その途中で、総資産額、自己資本比率など、
財務状況が質問されたそうです。

“個人保証と担保なしで融資するのは、
上場企業だけですよ、といわれました。”と言うと、
“それはありえないですねぇ…。”と返答されたそうです。
“それはどなたが言ったのですか?”
“〇〇支店長です。”
といったやりとりが続きました。

“わかりました。では最後に内容を確認させていただきます。”
となり、明らかに、
その場でデータ化されている様子、だったそうです。
“ではこの内容で、クレームとして対応いたします。”
“えっ、あっ、そうなんですか。わかりました。”
経営者は、ちょっと問い合わせるだけ、
くらいの感覚で考えていたので、
クレームと言われてとまどったものの、まあいいか、と思ったそうです。
財務局の担当者は、最後にこう言ったそうです。
“この内容で、銀行にはクレームとして一週間以内に連絡いたします。
 ただ、銀行の対応が変わるかどうかはわかりません。
 このたびは情報を提供いただき、たいへんありがとうございました。”

そうです。
財務局は、中小企業の生の声を、待ち望んでいるのです。
財務局は、金融庁の方針に基づいて動く、各地域の実行部隊です。
「担保・個人保証に頼る融資をやめさせろ!」
が、現金融庁の方針です。
で、「そのため、中小企業にヒアリングして、実態把握せよ!」
が、方針実現へ向けての、金融庁から各財務局への指示です。
しかし、突然そんなことを言われても、財務局にはノウハウもなければ、
中小企業とのコネクションもありません。
ホームページに、“みなさまの声をお待ちしています。”
と掲載する程度です。困っているのです。
そこへ、実態を伝えてくれる経営者がわざわざ電話をくれた。
財務局にとっては、願ったり叶ったり、なのです。

その翌日、銀行から経営者に連絡が入りました。
つづく・・・。

(古山喜章)

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