合併すれば節税できる?
「合併して節税する」
こう聞くと???と思われるかもしれません。
が、この方法で節税している会社は結構あります。
合併して節税する、というのは、
吸収される会社に繰越欠損金があれば、
吸収した会社がそれを使って節税する、
ということです。
繰越欠損金というのは、次のとおりです。
会社に大きな損失が発生して所得(≒税引前利益)が赤字になれば、
税務の世界においては、「欠損金」が発生します。
ある年に、所得(≒税引前利益)が赤字になると、
翌年以降で所得が黒字になっても、最大で10年間は、
この所得を減らせる(=税金が減る)、という制度があります。
将来に繰り越す欠損金のことを「繰越欠損金」と呼びますが、
これがなくなるまでは、税金は発生しない、というわけです。
たとえば、ある年に10億円の繰越欠損金が出たとします。
翌年以降で、毎期2億円の利益が出た場合は、
5年間は税金を一切払わなくてよい、ということです。
合併される側に繰越欠損金が1億円あれば、
合併した側は、その1億円を使って、
税金の支払を抑えることができる、というわけです。
合併自体、
経営状態がよい会社が、経営状態がわるい会社を買う、
という場合が多いため、
この方法は、比較的よくつかわれます。
ただし、この方法は、どんな場合でもできるわけではありません。
無尽蔵に節税されるのを防ぐため、
税務署は、ちゃんと条件を設けているのです。
(次回に続く)
(福岡雄吉郎)
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