合併すれば節税できる?③
「合併して節税する」
こう聞くと???と思われるかもしれません。
が、この方法で節税している会社は結構あります。
合併して節税する、というのは、
吸収される会社に繰越欠損金があれば、
吸収した会社がそれを使って節税する、ということです。
顧問先であったのが、グループ会社の合併でした。
もともと資本関係はありませんでしたが、
いまから4年前に業績不振で債務超過の会社を救うために、
顧問先が1株1円で、100%を取得したのでした。
で、その後まもなく、その子会社を吸収合併して、
繰越欠損金を1億円程度、活用したのです。
前回説明したとおり、
グループ化して5年経っていないうちに合併しました。
この場合、繰越欠損金を使うには、
4つの条件を満たす必要がありました。
(前回の記事はこちらです)
このうち、ネックだったのは、
『売上高、従業員数、資本金額等が、
おおむね5倍を超えないこと』
という条件でした。
当時、親会社の資本金は1億円、
(吸収される)子会社の資本金は、10百万円でした。
つまり、資本金は10倍になっています。
この要件を満たすことができていなかったのです。
この場合、一つの対策として、
資本金を20百万円に増資することです。
そうすれば、親会社と子会社の資本金の倍率は、
5倍以内となります。
そのかわり、増資をするときには、
しっかりとしたエビデンスが必要です。
とくに、「なぜ、増資する必要があるのか?」
を合理的に説明できなければ、
「節税のために、都合よく増資したのだろう」
と言われかねません。
そのために、稟議書や取締役会議事録で、
「設備投資資金が必要」
「財務体質強化のために増資が必要」
ということを、しっかりと記しておく必要があるのです。
(福岡雄吉郎)
【新刊本 発売しました】
平成28年6月にあさ出版から、
「決算書で面白いほど会社の数字がわかる本」
が発売されました(監修:井上和弘 著者:福岡雄吉郎)。
“やさしく、わかりやすく”ページは薄いが中身は濃く、
決算書や会社の数字を解説しています。
弊社でも、ご注文を受け付けております。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【20000部(第7刷)になりました!】
平成27年1月にダイヤモンド社から発売した、
「儲かる会社をつくるには、赤字決算にしなさい」
がおかげさまで、増刷を重ねつづけ、20000部になりました。
弊社でも、ご注文を受け付けております。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【DVD発売しました!】
DVD「社長の経営財務」を、
日本経営合理化協会より発売しました。
多くの経営者が苦手な、貸借対照表が、
これを見れば驚くほどよくわかります。
詳細&お買い求めはこちらからどうぞ。
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
こちらをクリックしてください
« 仁義なき銀行交渉 個人保証死闘篇④ | トップページ | 三つの風が吹いています »
「節税対策&決算対策」カテゴリの記事
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか⑤(2023.10.06)
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか④(2023.10.05)
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか②(2023.10.03)
- なぜ会計事務所は普段と違う処理を嫌がるのか①(2023.10.02)
- 誤った税務脳にだまされるな①(2023.09.05)
コメント