帳簿書類の保存期限は?
「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、
売掛金元帳買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあり、
「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、
注文書、契約書、領収書などがあります。
税務上、これらの保存期限は、7年と言われています。
しかし、実際に税務調査で対象となるのは、
基本的に直近の3期分です。
「見られないものを保存しておく必要があるのか?」
重たい書類を段ボールにつめて、
へたすれば、倉庫まで借りて保管しておく。
一体、意味があるのだろうか?
というのが、会社側の本音だと思います。
先日、つくばエクスプレスを運営する「首都圏新都市鉄道」が、
領収書の控えを1年間で廃棄していたことが明らかになりました。
全20駅で開業以来約11年間続いていたといいます。
国税当局から同法違反を指摘され、
口頭で是正指導を受けたようです。
同社によると、廃棄していたのは、
乗客が購入した定期券や回数券などの領収書の控えです。
平成17年8月の開業以来、
社内規定で保管期間を1年としていましたが、
国税当局が今年8月、印紙税の納付状況について調査した際に指摘。
企業が領収書の控えを7年間保管しないのは同法違反ですが、
実は、直接的な罰則はありません。
脱税隠しなど、悪質な場合は、
青色申告が取り消される場合もあるようですが、
実務上、このようなペナルティは聞いたことがありません。
そもそもなぜ、7年かといえば、
繰越欠損金の有効期限が7年だったからです。
※現在は9年、来年の4月~は10年に延長します。
ということは、裏返せば、
繰越欠損金がそもそも発生していなければ、
7年間保管しておく意味というのは、
極めて低いと思うのです。
重要書類であれば、税務上の義務に関係なく、
ずっと保管しておくでしょう。
いっぽうで、日常の書類、帳簿は、
果たして誰の目にふれるのでしょうか?
ある税務署出身のOBが言っていました。
「いまは、税務署も書類だらけで、保管スペースがありません!
保存しているのは、せいぜい3年分です」と。
(福岡雄吉郎)
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