ハイブリッド債、ご存知ですか?
昨年は、マイナス金利の環境下、
上場会社では、社債発行による資金調達が増えました。
銀行の低い金利よりも、若干高くするだけで、
償還期限までは返済の必要がない資金を、調達できたからです。
毎月の返済がない、ということは、
資金繰りへの大きなメリットです。
それは、上場会社とて、同じなのです。
そのような状況のもと、
ハイブリッド債、という社債発行が、
昨年はとくに増えたのです。
中小企業で言えば、
少人数私募債のような効果を発揮する、社債です。
常々、
少人数私募債は、銀行評価では自己資本とみなされます。
いわゆる「資本性借入金」です、と申しております。
それと同様の効果が、ハイブリッド債にはあるのです。
ハイブリッド債も、少人数私募債と同じく、劣後債です。
破たん時の弁済順位が低いのです。
それによって、発行総額の半分を、
格付評価では自己資本とみなされます。
で、半分は負債の扱いです。
半分は自己資本で、半分は負債、なので、ハイブリッド債、です。
この背景には、
自己資本比率は高めたいが、ROEは下げたくない。
という、上場会社特有の思いもあります。
株式を発行して自己資本を高めると、
1株あたりの経常利益である、ROEは下がるのです。
で、金利です。
ソフトバンクは英国のアーム社買収に伴い、
昨年、ハイブリッド債を発行しました。
一口が1億円で、機関投資家を対象としたものでした。
その金利は、年3%、でした。
ハイブリッド債は、総じて、銀行金利よりも金利が高いです。
また、通常の社債よりも、金利が高いです。
それは、劣後債である、からです。
ひょっとしたら元金が返ってこないかもしれない、
というリスクがあるのです。
だから高いのです。
少人数私募債の金利が3%~5%は高すぎる!
という税理士先生がいたら、
“ハイブリッド債、ご存知ですか?”
と、言ってみてほしいのです。
今年も、読みやすく、
みなさまの参考になるような原稿を心がけ、
書かせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
【新刊本 発売しました!】
井上和弘の最新刊
『承継と相続 おカネの実務』が発売されました。
オーナー経営に精通した井上和弘が生み出した事業承継対策が満載です!
難しい専門用語は一切なし!多くの実例を示して、
あくまでも社長目線でわかりやすく解説しています。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
「儲かる会社をつくるには、赤字決算にしなさい」(ダイヤモンド社)
が、おかげさまで発行数20000部を突破しました!
弊社でも、ご注文を受け付けております。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
こちらをクリックしてください。
LINEアプリのタイムラインにて、
巷で出会ったスイーツを、3行だけ書いて紹介する、
「スイーツ3行書く命」を配信しています。
ID:icofuruyama で、LINE内で検索ください。
« 明るい経済環境を感じています | トップページ | 仁義なき銀行交渉 実録!返済戦争篇① »
「財務・会計・キャッシュフロー」カテゴリの記事
- 補助金・助成金・税優遇を活用しなさい①(2024.09.17)
- 倒産防止共済の駆け込み解約&再加入が進んでいます(2024.09.09)
- その固定資産、稼いでいますか⑤(2024.09.06)
- その固定資産、稼いでいますか④(2024.09.05)
- その固定資産、稼いでいますか➂(2024.09.04)
コメント