難攻不落の株主 その7
関東地方で製造業を営むI社の話です。
山田一郎社長(仮名)から後継者への事業承継で
相談がありました。
昔、I社と裁判までして争った株主(川上氏)は、
当初は、『株式は、絶対に売らない』と拒否されていました。
が、手紙を出したところ、
「売ってもいい」と心変わりさせることができました。
手紙で意識したのは、次のポイントです。
・感謝を示す
昔、争った仲で、はらわたが煮えくり返っていようとも、
文書としては、安定株主として長期間保有してもらったこと
に対する感謝の意を示します。
感謝されて、嫌な気持ちになる人はいません。
・“きっかけ”にふれる
「なぜ、このタイミングで?」という疑問には、
次の世代にバトンを渡す時期にきている、と書きます。
実際にバトンを渡す時期にきていなくても、
事業承継というのは、一つのきっかけになります。
・配当できないかもしれない、と不安にさせる
配当を目当てに株式を手放さない方もいます。
ですから、「将来、配当できないかもしれない」
というフレーズで、不安にさせれば、
“じゃあ、売っておこう”と思わせる一つの要因になります。
・プレミア価格(通常の●倍)と表現する
・返信期日(時間的制約)を設定する
日本人は、「プレミア」「いまだけ」という
フレーズにとても弱いです。
・客観的な評価資料
株主は、「この金額が本当に適正だろうか?」
と疑ってきます。
なので、顧問税理士等の第三者に客観的な評価額を出してもらい、
それをつけておくことで、
「不当に安い価格で買い取ろうとしている」という疑念を
払拭できます。
・他の株主は快諾してくれている
「自分一人だけ反対しているのは、大人げない」
と思わせるため、他の株主は賛成している、と記載するのも
効果的です。
最後に、すぐに返信しやすいように、
意思表示は、丸を囲むだけにして、
切手を貼付した封筒も同封します。
最大限の誠意を見せれば、
今回のように、頑なだった株主の気持ちを変えることも、
できるかもしれません。
(福岡雄吉郎)
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