銀行交渉をさえぎる人たち ④
銀行交渉を進めるうえで、
障害になるのは、
銀行の担当者や支店長だけではありません。
行く手をさえぎる、さまざまな人がいるのです。
④銀行サマサマ病の役員たち
“金利を下げる交渉をしなさい!”
“個人保証を外してもらいなさい!”
“手数料を下げる交渉をしなさい!”
というと、“困りました…。”と、相談にくることがあります。
特に、まだ権限のない、後継者たちです。
聞くと、“こんなことを言われました。”というわけです。
それは、
“そんなことして、借りれなくなったらどうするんだ!”
“あの銀行にどれだけお世話になったと思ってるんだ!”
“銀行をないがしろにしたら、ヒドイ目にあうぞ!”
などということを、社長である父親や、古参の経理担当、
などから言われて、前へ進まない、というわけです。
いわゆる、銀行サマサマ病の、方たちです。
バブル崩壊以前に銀行融資を受けていた世代に、
圧倒的に多い症状です。
当時とは、銀行を取り巻く環境は完全に変わっています。
銀行による格付け方法が変わり、
融資先不足の、銀行カネ余りに変わり、
低金利時代に変わり、
銀行もつぶれる時代に変わり、
などなど、バブル以前の銀行とは、多くのことが変わっているのです。
しかし、過去の強烈な体験とういうのは、尾を引きます。
なかなか、切り替えられないのです。
ただ、そんな銀行サマサマ病の方がいる場合でも、
“ちょっと様子が変わってきました!”
という声を聞くことがあります。
こんなケースがありました。
“どうして変わってきたの?”
と聞くと、次のような答えが返ってきました。
“「赤字決算にしなさい!」の本を、
社長の机の上に置いておいたら、
いつのまにか読んでいて、
「これからは、無担保・無保証の時代だぞ!」
て、言うんですよ。
私が言っても聞く耳もたないのに、どう思います?”
というわけです。
つまり、誰から聞くか、何から読むか、ということによって、
素直に聞けたり、聞けなかったり、するのです。
人間とは、そういうものです。
後継者も、ぶつぶつ言いながらも、心得たもので、
“最近は、このブログの記事を印刷して、
社長の机の上にそっと置いてます。
なくなっているので、読んでいるんだと思います。”
とのことなのです。
で、実際に、その会社では、銀行交渉が進み始めたのです。
内部に銀行サマサマ病の方がいると、
銀行交渉は、進みづらくなります。
しかし、無理にその方々の意識を変えようとするのではなく、
遠回しに情報提供することで、意識を変えてゆく方法も、あるのです。
急がば回れ、なのです。
(古山喜章)
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